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「先ほど再会なされたばかりだというのに、さっそく坊ちゃまの手綱を握られていらっしゃるとは。さすがにございます、茉優様」
「いえ! 偉そうに出しゃばってしまってすみませんでした」
「出しゃばるなど。坊ちゃまは嫌だと言ったら頑固なものですから、助かりました」
(……優しいな)
気遣いと、にこりと笑んでくれた目尻に、祖母の顔がちらついて和んでしまう。
(って、あれ?)
聞き間違えじゃなければ、いま。
「"再会"って……タキさんも、私達の"前世"をご存じなのですか?」
先導するタキさんの後を歩きながら訊ねると、タキさんは「ええ」と少しだけ私を振り返り、
「この屋敷の者は皆、坊ちゃまが以前の世で縁を繋いだお方を探されているのだと、存じております。ですが仔細まではき聞き及んでおりませんゆえ、ご安心くださいませ」
「あ、いえ……」
(安心もなにも、前世のことなんてこれっぽっちも覚えてないのだけれど……)
ともかくタキさんをはじめとするこの家の人たちは、皆、私が"マオの嫁"なのだと信じてくれているということ。
おそらくそれは、"大旦那様"も。
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