あやかしの血族向け家政婦業はじめます

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「いや、どうみてもみえねえよ」と反論するマオに、「もっと芸術的感性を養ったらどうだ」と言い返している。  そんな二人を「はいはい、話を進めるよ」と手を叩いて遮ったのは、狸絆さん。 「そこにある通り、あやかしの血族向けの家政婦派遣サービスを立ち上げようと考えていてね。というのも、仕事柄顔が広いもんで、時折お客さんの相談に乗ったりもしているのだけれど……。少し前からね、あやかしを血筋に持つものの、ほとんど人としての生活をしている者たちからの相談が、増えていてね。マオにも覚えがあるだろう? ほとんど"ヒト"の、けれどもあやかしの血から完全には逃れ切れていない、彼らを」 「……まあな。今の現代じゃあ、あやかしなんて書物にしか残らない伝奇だしな。血筋だなんて告げるほうが、なにかと面倒なもんだ。それに、大抵は妖力などほとんど持たないだろう? けれども通常の"ヒト"とは、少々異なる。どちらにも染まれないってのは、苦しいもんだ」
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