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バクバクと跳ねる心臓と戦いながら、やっとのことで辿りついた座敷には、楕円型をしたこれまた一枚板の座卓が。
すでに席についていた大旦那様は、私の見るなり「よく似合っているね」と双眸を細め、
「牡丹に蝶か。さすがはタキだね」
さ、座って座ってと勧められるまま並んで座らせてもらった途端、朱角さんをはじめとする数名の方々が、高級旅館さながらの美しくておいしいご飯を運んで来てくれた。
(居候の身で、どう考えても尽くしてもらいすぎ)
私もお手伝いを、と申し出てみたけれど、今夜は歓迎会だからと断られてしまって。
手を出せなくなってしまったからと、目の前の食事を堪能するに徹しているわけだけれども。
(……"嫁"、だったら。こんなモヤモヤした居心地の悪さなんてなかったのかな)
ちらりと隣のマオを盗みみると、当然のように気が付いた彼が「ん?」と柔らかく笑んでくれる。
「退屈か? 茉優」
「いいいいいえまさか!! お料理、本当においしいです! 食べ過ぎてしまいそうで!」
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