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離れを借りて居住区にします
翌日。朝食を頂いたあとはタキさんとマオから屋敷内の説明を受け、さらには「好きなのがあったら活用してな」と衣裳部屋へと案内された。
二階の、八畳ほどある部屋の中に並ぶ箪笥やハンガーラック。
主にタキさんが管理しているというこの部屋には、狸絆さんとマオの服や小物が収められているという。
その中の、一角。背丈ほどある桐箪笥の中に並べられた、鮮やかな浴衣に和服。
隣のハンガーラックには、明らかに量産品とは異なる女性もののワンピースがニ十着はかけられている。
「一緒に住むことになったんだし、茉優の場所も増やさないとだな。ああ、俺が勝手に買い集めちまったものだから、気に入らないモンは退けてくれ」
「え!? そんな、勿体なさすぎますよ!」
「んじゃ、着てくれるのか?」
「う……可能な限り、善処、します」
(私がこんな素敵な服を着る機会なんて早々ないだろうけれど)
私の内心とは裏腹に、マオは「そうか!」と顔を輝かせ、
「昨晩の浴衣もそうだが、本当に使ってもらえる日が来るなんてな。日々の楽しみが出来たなあ」
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