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「坊ちゃま、タキとしましてはコレクションではなく実用性を兼ねるためにも、お帽子やお鞄、履物など小物類も必要かと存じ上げますが」
「そうだな、盲点だった。今度一緒に選ぼうな、茉優。茉優好みの服も揃えたいし」
(まだ買うの!?)
衝撃を受ける私とは裏腹に、タキさんとマオは次に増やす洋服談議に花を咲かせている。
わからない。マオのお屋敷では、これが当然のマナーなのだろうか。
高級な服なんて、どう考えても私には不要なものだけれど、無知なまま断ってお屋敷の空気を乱すのも申し訳ないし……。
結局、どう対処するべきか悩んだまま、今度は庭園の奥に設えられた離れの見学をさせてもらった。
一階は広々とした和室が二間と、長方形の台所に冷蔵庫や電子レンジといった家電が。
トイレと、こちらのお風呂は私も良く知る、落ち着く大きさの浴室。
風呂釜とタイルは石で造られていて、しっとりとした落ち着きを感じる。
窓を開ければ目隠しも担っている、緑豊かな木々が望めるという。
縁側の一部に、外側に出っ張った箇所があり、一本足のラウンドテーブルと布張りの椅子が二脚置かれている。
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