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わたしはこの場所ではたらいている、名もなき霊だ。識別番号は4705-6104。
前世でなにかをしたせいでここに配属された。もちろん、前世の記憶はないのでなぜ自分がここに居るのかも分からない。
普通の魂は冥府の花畑で次に生を受けるのを待つものだけれど、わたしたちは何故だかここではたらいている。
何か条件を満たせばここにいるわたしたちも新たな生を受けることができるらしい。
別に、何も不満はない。ペアの先輩はやさしいし、色とりどりの約束はきらめいて美しい。花畑で何もせず惚けているよりはずっとましだ。
「はー、今日も多いったらありゃしない。まったく、たまには休ませろ、十分に睡眠もとれてない」
「とか言って、昨日わたしの部屋にお酒もって入り浸っていたのは誰ですか」
「だってひとりで飲むのさみしーじゃん」
「ずいぶんかまってちゃんですね」
「うるさい」
隣でせっせと約束を集めてはカゴに放り込んでいるおしゃべりな先輩は、2462-8333。24、なのでわたしはニシさんと呼んでいる。
ニシさんも同じ様にわたしをヨンと呼ぶ。
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