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 佐原は強盗殺人で極刑を言い渡された。空き巣泥棒に入ったつもりがニ名殺害の強盗殺人で裁かれたのだ。  ──  男を殺害してパニックになっていた佐原は男が絶命した後、永遠に続くような耳をつんざく女の悲鳴に更にパニックになった。家の中に警察が踏み込んだ時、佐原は血まみれの両手の平で全体重をかけ、女の鼻と口を塞いでいた。女は窒息死。  女が死亡したことで佐原の正当防衛の唯一の証人はいなくなり、女を縛り上げたことさえも佐原の犯行とされた──。それと二人の死により男女二人の関係性は未だ不明のままである。  ──  あれから十年の歳月が経ち、刑務官が独房の佐原健吾に尋ねる。 「佐原、お前最後の日は何を食べたいか」  刑務官の問に正座した佐原健吾は小さく答えた。 「それなら僕……カレーライスが食べたいです……」               END (注)これは創作です。日本には死刑囚が最後の食事を選べる「ラスト・ミール」の制度はありません。  
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