1人目の証言

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1人目の証言

 1人目は私とほぼ年齢が変わらないくらいの青年だった。事前にやりとりをしていた時から感じたが、爽やかさを全面に纏った好青年という表現がしっくりくる、明るい青年だった。  「そんな風に言ってくれるととても嬉しいです。だけどちょっと前まではこんな前向きに人と話すことは出来なかったんですよ。元々体が弱くて外に出ることが叶わなくて、どうしても塞ぎ込んでしまうことが多くて」  その話を聞いても、塞ぎ込んでいる彼の姿を想像することは出来なかった。それほどまで、今の彼はエネルギーに満ち溢れていた。  「そんな時に部屋で、変な石が落ちているのを見かけたんですよ。滅多に外に出ないからなんでこんな物があるんだと思ったんですけど、それが部屋に現れてから体調が一気に良くなってきたんですよ。そうしたら一気に活力も湧いてきて、どんどん人と関わろうと思うことができたんですよ」  そう話し終えたあと、彼に石が最終的にどうなったのかを聞いてみた。  「それが不思議なことに、気がついたら手元からなくなっていたんですよね。家中探しても見つからなくて……。ただ僕もあの石をお守りのように持ち歩いていたので、どこかで落としたのかもしれませんね。ただあの石は間違いなく、幸運を運ぶ石がだったと思いますよ」  青年は終始、明るい口調で話をしてくれた。
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