暗転

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 私達が時間を費やして築き上げた結果は、存在すらしていなかった事にされ、私達、捜査チームは解散となり、其々が別の部署へと配置も変えられた。  救いようのない結果としか言いよう無い。私達が追っていた事件が、今後どう扱われるのか分からないけど、闇に葬られることになるだろう。  何処で、どれだけの力が働いたのかは、知る由もないが、終わったのだ……。  今を精一杯頑張るしかない。  自分にそう言い聞かせて、今を生きている。  そう言えば、最近、気になる事がある。何者かに見張られている気がしてならないのだ。  いつ頃からそんな不穏な気配を感じるようになったのかは分からない。  担当を変えられた頃からだったような気がする。  一つの事件を無かったことにしてしまう程の力が働いている。注意をした方が良いだろう。  移動は人通りの多い通りを常に選択し、電車やバス等の公共交通機関をなるべく使うようにした。  歩いている時は、常に周りに注意をするようにしている。  それでも、消えてくれない嫌な気配。  背中に感じるモヤモヤとした嫌な空気感による微かな圧力が、纏わりついて離れようとしてくれない。  職場の人に相談をしても、『疲れているのでは』『休んでみては』とありきたりな一言で、片付けられてしまう。  相談しても、意味のない時間の浪費で終わってしまうのだ。  こんな事が毎日、続いていたら、気が変になってしまう。  そんな想いに駆られた時、何時もとは違う気配を背中に感じ取った。  どう説明をしたら良いのだろう。何時もと感じてくる気配の圧が違うのだ。  敢えて歩みの速度をキープする。  慌てる素振りを見せてはいけない。相手につけ入られてしまう。  何時も感じている気配とは明らかに違う。やたらと強い悪意を感じる。  逃げよう。  歩くスピードを上げる。  複数の変化した足音が聞き取れた。  相手は数人だ。一人ではない。  脇の狭い通りに入る。  やり過ごせるかもしれない。  背後から何者かに掴まれる。  黒い服を着たがっしりとした男!  咄嗟に身体捻り、右の肘を相手のボディーに打ち込む。  男の両腕による絞め上げが緩む。  身体を反転させて右の前蹴りを叩き込む。  倒れ込む黒い覆面をした男。  更に同じようなタイプの男がもう一人いる。鉄パイプのような武器を持っていた。  逃げた方がよさそうだ。  瞬時に判断し、広い通りに出ようとした時、一人の男が立ちはだかる。  動きを止め、身構えてしまう。  背後から後頭部に叩き込まれる凄まじい衝撃。  頭の中が真っ白に染まり、自分の存在感が喪失していくのを感じ取った瞬間……。  
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