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模索
R国は外交においてかなり狡猾だ。普通に支援をする程度では、進出なんて認められないだろう。
裏がある筈だ。
担当していた外交官が気になる。御影の情報を待つしかない状況だ。
職場では相変わらず雑用ばかり。担当は殺人事件だけどね。暇な方が色々とうごけるから、その方が良いか。
思わず笑みが毀れてしまう。
病み上がりにと言うことになっている私を、構ってくる人はいない。
暇だな……。
速く終了時間にならないかな。
身体を鍛えたい。
今は、郊外に住んでいる。敷地が広い割には、家賃がかなり安かったからね。
そこには、大き目のプレハブとコンテナが一つあった。
プレハブには砂を敷き詰め、トラックの廃タイヤを積んだように吊り、サンドバッグとして利用している。
プレハブ内だが、廃タイヤを引っ張り続けている。
要は『毒蛇の巣窟』を再現させたのだ。
衣食住はコンテナの方だ。水道、電気、ガスもきているので、特に不便はしていない。
退屈な時間が過ぎていき、終了時間を迎え、職場を後にする。
あの時の事件は無かったことになっているから、資料は何一つのこっていない。見事な隠蔽工作だ。
自分で新たに調べ上げるしかないのだ。
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