46人が本棚に入れています
本棚に追加
丘を下り、少し開けた感じの土地が展開する。
数件の廃屋のような家が建っている中、中央が空いている。先ずは、そこを一気に走り抜ける。
冷たくも湿った空気に包まれた広場が醸し出す得体の知れない、貧困が創り上げた寂しさ。
静かすぎる世界の中に響いた微かな物音。
微かに見えた鈍く光る銃身。
右腕を突き伸ばし、引き金を引く。
銃声が響くと同時に、建物の影に隠れていた男がバッタリと倒れた。
「良く気づきましたね」
「このくらい気づかないようじゃ、生き残れないわよ。行くよ!」
私達は走り出す。
通路に差し掛かる。
数人の男達が立ちはだかる。
持っている武器は、バール、銛、ハンマー、棒と多種多様だが、銃を持っていたのは、あの男だけのようだね。
銛を持っていた男が、銛を投げつけてきた。
槍のような鋭い穂先が、空間を突き抜けてくる。
右膝をつき、警棒で飛んでくる銛を左側に払い、拳銃で銛の男を仕留める。
直ぐに立ち上がり走り出す。
バールが上から振り落とされる。
右サイドに動く。
反応の遅れた男を左の前蹴りで蹴り倒し、顔面に鉛玉をぶち込む。
ハンマー、棒を持った男は、御影が片付けてくれた。
私達は広場を一気に駆け抜け、二又に分かれた通路に差し掛かる。
「沖田さん。左側の通路を駆け抜けてください。通路を駆け抜ければ、船が待機している海岸に辿り着きますから」
「分かったは。そこで会いましょう」
「死なないでくださいよ」
私は笑みを浮かべ、左側の通路に入る。
最初のコメントを投稿しよう!