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三度目の恋も同じだった
私の恋はいつもふわふわと浮いていて決して叶わない許されない恋だった。
私は一番目にはなれない。
いつも誰かの二番目だった。
私はいつも彼の事を一番目だと思っているのに
一度目の恋の相手も妻帯者だった。
あれは私が大学受験で受験勉強をしていた時の事、私は勝手に塾の先生に恋をした。
初めは困惑していた先生も私を愛してくれていたと思っていた。
私と先生が付き合ってると気付いた友達は私に付き合うのを止めるように言った。
私も何度も止めたほうがいいと心の中でいつも思っていた。
でも、先生は困惑していた初めとは違い、なかなか私と別れてはくれなかった。
ところが、奥さんが私と先生が付き合っていると気が付くと先生はすぐに私の元から去っていった……。
大学受験はショックのあまり失敗してしまった。
先生が私の元を去って行ったのはまだ受験日の前
だった。
一度目の恋は短い初恋で終わった。
もう二度と妻帯者は好きにならない心に誓った筈だった。
それなのに、それなのに、何で?次の年私は一浪した大学にもう一度挑戦して合格した。私はまだ失意のどん底にいた。
大学二年の頃、心の傷が癒えて来た矢先、大学の
友人達と合コンをする事になった。
そこで私は一人の合コンに来た男性に恋をした。
今度こそ合コンに来たのだから妻帯者の筈はないと思っていた。男性も女性も私の友人が合コンのセッティングをしていた筈だった。
でも、友人はその男性の事を知らなかった。
「あなたは?隆二の代理?隆二が来られなくなる
なんて思わなかったから?」
友人が聞くと「隆二は体調が悪いので、代わりに僕が来ました」そう言った。
私は話が面白くてとても気遣いができる彼に夢中になってしまった。
合コンに来るのだから今度こそ妻帯者じゃないと信じて~。
でも、二回目の恋も短いものだった……。
彼は私の他に何人も彼女がいることが後でわかったからだ。そして本命の彼女とこっそり結婚していた事も……。
私は二回目の恋も知らないうちに妻帯者と付き合っていたのだ。
私は誰かの一番になりたい今度こそ幸せになりたい。私は、誰かに愛されたい。次は慎重に次は失敗出来ない。そんな気持ちが強くなっていくのが自分でもわかっていた。
それなのに……。神様はなんて不公平なんだろうか?私は結婚を望んではいけないのだろうか?
また私は三度目の恋をした。
家庭がある彼に恋をした。私はもう三十歳近い年齢だ後戻りは出来ない。
友達にも内緒で彼と付き合っている。
私は彼と付き合うと決めてから自分の中でルールを決めていた。
彼を困らせない。
家庭を壊さない。
彼の家の住所を聞かない。
彼の言葉だけを信じる。
例え彼が何を言っても~。
彼が妻とは別れるからそれまで待っていてほしいと言う言葉だけを信じて、私からはいっさい電話を掛けたりメールを送ることはしなかった。
私は彼の家の住所さえ知ろうとは思わない。
いつも一緒にいられるのは彼のお店で働いているからだった。
仕事帰りにデートするのも同じ職場だから簡単な事だった。
携帯メールに言葉を残さなくても言葉でこっそりデートの約束をすればいいだけの事だった。
彼の奥さんは彼の店の事に全く興味がなく従業員の名前も顔を全く知らないと彼から聞いていた。
だからいつか妻と別れて君と店舗数を増やしてこのイタリアンのお店を切り盛りしていこう。彼は私にいつもそう言っていた。
私は今、彼とお店の店舗を増やしてどんなお店の内装にしたらいいか?話している。
彼の奥さんは病弱で子供が出来ない身体らしい。
だから私と将来一緒になりたいといつも彼は言っていた。
私は彼の言葉を信じている。
いつかは彼の一番になれると信じて……。
だから私は今、一番になれる日を待っている。
じっと待っている。。。筈だった。。。
あ、の、日までは~。
あ、の、日まで私が彼の奥さんに嫉妬する日が来るなんて思ってもみなかった……。
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