寂しがり屋の猫は今日も主人の帰りを待っている(凪、成長したんです)

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~凪side ~ 今日から学校。 「そっそれじゃあ行ってきます!」 と校門の前で送ってくれた2人に言う。 「何かあったら連絡してね?」 と笑う旭。 「うん!」 「楽しんでね」 と頭を撫でてくれるはるちゃん。 「うん、ばいばい!」 と俺は学校の中に入った。わああ、たくさん動物いる…! えっとまずは職員室、だよね! と学校のパンフレットを見ながら職員室に行った。 「えっと…のっくしてから…」 俺は扉をノックして、開けた。 「あの…今日転校して来た凪、です…」 内心びくびく。 「ああ!入っておいで!」 と声をかけられた。や、優しそう… 「初めまして凪君、僕は君のクラスの担任の小田だよ。よろしくね」 と頭を撫でられる。人間だ。 「よろっ、よろ、しくお願いします」 と俺も頭を下げた。これから1年お世話になるんだから礼儀正しくしないと…! 「うちのクラスに猫はいないんだけど、仲良くやれると思うから安心してね」 「は、はい…」 教材をたくさん貰って俺は先生と教室に向かった。 「た、田沼凪です…、よろぢ、よろしくお願いします…」 とお辞儀した。拍手がぱちぱち響いて、俺は案内された席に座った。一時限目はなんなんだろう…、は、話しかける…? 「……」 無理だよぉおお…、旭ぃ…どうしよぉ〜… 「凪…くん?」 と声がして俺は顔を上げる。 「はっはひ!」 ひ、人見知りしてちゃダメだ…! 「俺は滝口亜紀、よろしくね」 と隣の人が話しかけてくれる。 「た、きぐちさん、よろしくおねがいします…」 「亜紀でいいよ?」 「!あ、亜紀、くん…」 「うん」 と笑った。 「凪、一限目は国語。教科書ある?」 「……ないかも」 と貰った教科書を見てないことに気がつく。 「どうしよう…」 「俺の見せてあげる。」 と机をくっつけた。 「あ、ありがとう亜紀くん」 と言って笑うと頭を撫でられた。
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