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「いやぁ、総出で来てもらってすいません。」
通された応接室に城戸、誠、エマ、田代が座っていた。
新党代表、沢村肇はとても朗らかな青年だった。後ろには先日お会いした高倉が仏頂面で立っていた。
「どうしてもお会いしたくてね。日本の将来を共に作っているという人達に。」
沢村はにこっと笑った。
そしてみんなに握手を求めたので、みんなはそれに応えた。
「早速本題で申し訳ありません。何かとあの席は忙しいのでご理解下さい。」
と議員室にあるデスクを示して見せた。
みんなが大人の笑いをしてみせる。
「お話は高倉から伺いました。で、どうです?どの程度見込みはありそうですか?
高倉から数字を踏まえた話は聞いたのですが、是非とも担当者の方から直接お話を伺ってみたくて。」
我々は今まで誦じれるほどになった資料内容を熱意を持って相手に伝えた。
その話に沢村は、時に厳しい目付きで精査しているようだった。確か前職は経営者だ。
話を聞き終わると。
「いやぁ、やはり直に話を聞けて良かった。グローバルリアルエステートさんの名前があり、日本が食い物にされてしまうのかと思っていたのですが、どうやらそうでは無いらしい。」
そう言って沢村はまたにこっと笑うのだ。
「日本の為にありがとうございます。」
そう言って頭を下げた。
「この施設の為にご尽力いただいてること、高倉から伺いました。特にG.R.Eさんはそこまでしなくても良かったでしょうに。」
と城戸達に目をやった。
「我々も日本文化振興館のチームですから。」
城戸の言葉に沢村は一度深く頷いた。
「この件、もちろん内々で相談させていただきますが、前向きに検討させていただきます。」
そう言うと沢村はまた4人と硬い握手を交わした。
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