目覚め

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 突如太陽系の軌道から外れ、太陽の光が届かない宇宙空間に向かって進みだした地球。  計算上、人類が地球に生存していられるのは、判明した日からわずか1か月間。  その間に地球から脱出する為の宇宙船の準備、若く健康的な男女の厳選。  地球人全員が脱出する事は不可能だった。  移住できる星の目星をつけることも出来、その星『惑星R』の原住民とも話はついている。この脱出用の宇宙船は、惑星Rの技術を応用して作られたものだ。  ―――なんて話、そうですかと信じられるわけがない。 「じゃあ…パパやママは地球に残ったっていうの?今地球はどうなっているの?」 「この船に乗る前にきちんとお別れしているはずだけど…ごめん、僕も君と同じ立場だから、どのくらい経っているかもわからないんだ」  地球から脱出する人物はコールドスリープ状態にされた為、目覚めた時には宇宙にいたという。 「少なくとも、僕が目覚めて1週間は経っているよ。他の人達もね」  その男性は私の手を取り、私をドアの外に連れ出した。 「おぉ、最後の眠り姫!おはよう、やっと起きたね」  それなりに広い丸い部屋に若い男女14人が丸いテーブルを囲んで談笑していた。 「…脱出した人類って、これだけなの!?」  話の全てを信じたわけではないが、私達を含めてたった16人で移住したところで何になるのだろうか。 「いや、他にも複数船はあるらしいよ。だけど、日本人は…これだけなかな」  どの人達も見知らぬ人だ。  職場の人も、同級生も、友人も…私の彼氏である(みなと)も選ばれなかったのだ。
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