なくよ鶯、新都心!

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なくよ鶯、新都心!

一 太陽系の星々で自由に貿易が出来るようになり、宇宙船にさまざまな物を積んで遠くの星まで運べるようになった。木材や石材、木炭や石炭、石油や天然ガス、食品など。しかし遠くの星まで物資を運ぶのは、人手もかかるし、時間もかかる、更にはお金もばかにならないので、とてもコストがかかることだったが、宇宙船に約三十トン以上の積める、コンテナボックスという鉄の箱が作られた。 これにより、ぐっとコストが抑えられ、普段よりたくさんの積み荷を安全に運べるようになった。人手も時間もお金もたいしてかけずに運搬が出来るので、貿易センターで働いていた人たちの大勢が辞めることになり、やさぐれてしまった。 その人たちは、宇宙を航海しながらさまざまな商品を密輸していたり、どこかの宇宙船から食糧や燃料を奪ったりしているらしい。そんな話を聞いたことがあるけれど、わたしの貿易船「遣星使節船」はまだ出会ったことはない。 それでも、わたしの星の品物は高級品で高いっていうイメージを持たれていたけど、コンテナのお陰で安く買えているというのは喜ばしいことだと思う。 「きみが我が星では女性初のパイロット、ムチルくんか? シン・ワシントン条約や武器貿易協定については勉強してきたのかい?」 貿易船のコクピットでスコット船長が訊ねて来た。筆記やシュミレーター訓練過程は受けて来たし環太陽系自由貿易についても勉強してきた。 「絶滅する危険のある種の生物の取引を取り締まるもので、それには骨、皮、牙、角などの体の部位も対象になっています。動物ならホシガメ、スローロリス、アジアアロワナなど。植物ならラン、アロエなどが挙げられます」 「武器貿易協定については?」 「こちらは製造された武器の取り引きを取り締まるもので、こちらは全ての銃器をはじめ火薬や爆発物の輸入を、禁止対象にしています」 「なるほど、よく勉強しているね。それでは ムチルくんの操縦の腕前を見せて貰おう」 「はい、緊張するなぁ。こちらワーブラー794、管制塔、目的地の星までの航路の状況を教えて下さい」 私はイヤホンマイクから管制塔に航路の状況を訊ねた。
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