なくよ鶯、新都心!

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「こちら管制塔、現在隕石のコースにありません、宇宙海賊の航路も外れています。目的地は夜間に到着出来るでしょう、着陸時のギアダウンには気をつけて下さい」 「了解、このままの航路で航海を続行しますっ!」 ワーグナー794には揮発性の高い荷物を何十トンも積んでいれば、可燃物も何十トンも積んでいる。ちょっとした衝撃で宇宙船がどかんと爆発して船にいる全員が焼け死んでしまうことになる。離着陸時の操縦には細心の注意が必要だ。 船内にはあらゆる分野の専門家や、技術職の人たち、言語通訳士に医療従事者、更には色んな星のことを学びたい留学生の子など大勢の人が乗っている。これから彼らがやろうとしていることを台無しにしてしまうわけにはいかない。 「ムチルくん、リラックスして操縦していいんだよ」 スコット船長は左手でゆっくりと珈琲カップを持ち上げながら、そういった。 「船長は緊張しないんですか?」 「勿論、緊張はしてる。心臓があればバクバクいってるんだろうし、右腕や左腕もこんなスムーズに動けないだろうね。とはいえ2012年製の左腕ではぎこちないんだけど」 「どういうことです?」 「よくあることさ、階段から転げ落ちてロボットになったんだよ」 心臓が「あれば」? 左腕が2012年製になるって、ここではよくある事故なのだろうか。体がロボットにすげ替えられる程酷い事故とは一体なに? ひょっとして海賊たちといざこざがあってそうなったのか? 「何時からですか?」
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