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背の高い男
「はて? リストが勝手に更新されていますね。いやはや仕事の早い方が私どもの中にいらっしゃるんでしょうね。さすが我らが組織です」
男はペラペラと手元の紙を数枚めくり、一通り目を通す。
「ああ、これではノルマをオーバーしてしまう。どなたか枯らしておきましょうか。やや、何やら異変の出た花があるみたいですね。どれどれ……ああ、切り刻んだところで生命力の高い花ですから枯れてはくれないかもしれませんねえ。えーっと、枯れさせるのはどなたにして差し上げましょうか。そうですねえ……。はあ、また忙しくなりそうだ。困りました困りました。どなたか手伝ってくれれば良いのですが」
靴をかつかつと踏み鳴らし、男は闇の中へ消えていった。
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