あの日の約束

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 真っ白い鳥居、白くて丸い石が積まれた隙間から流れている湧き水が至る所にある。はるかとKIZAKIは神社でも一緒に歩いてお参りをして、湧き水に触れるとご利益があるというので2人して両手を水に浸けた。  「こっちの階段を下りて15分ほど細い道を下るとお土産通りです。ここで解散したいという声が出たので、それも有にします」  そんなに大雑把でいいのかツアーガイド。あまりゆったり楽しむ予定を組んでいたわけじゃなさそうだ。もっと神社でゆっくりしたいなど、結局は参加者18名全員がこの場所での解散を選んだ。じゃあとばかりに退散していくガイドの背を見送り、各自がバラバラに動き出す。  「ねぇ、水が濁っている部分があるよ」  「神さまのお怒りとか?」  何気なく声の方を見たはるかはざわりとした。土の色が水に移っている。KIZAKIがはるかの肩を叩いた。  「お土産通りに行かない? なんだか、落ち着かないんだ。ヘンだよね」  「いいえ。私も……なんだか怖いんです」  「……行こう」  半分以上の人が何かを感じたのかお土産通りへ向かうようだ。但し、それも二通りに分かれた。元の道を戻ってから行く人とガイドが言っていた細い道から行く人。はるか達は元の道を戻る方を選んだ。何となく見つめた神社の境内にはまだ数人が残るようだ。  「ああ、そうか」  「?」  「ここに来て違和感があって」  「違和感……あ、」  「わかった?」  「はい。神社に務める人……社務所もないです」  「ついでに、どこにも月弓神社の名前がない」  「!」  2人の会話を聞いていた人達も心なしか青ざめ、元の道を戻る足を速めた。足元で水溜りが音を立てた。……水溜り?  「雨、降ってた?」  「違う! 地面から水が!」  「逃げろ!」  異変に気付いた人が大声をあげ、一斉に走り始めた。けれど、遅かった。何かが迫る転がる音。何人かの悲鳴と重たい音。はるかは誰かに突き飛ばされた。ゴッと鈍い嫌な音が響いた。
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