第1幕    永遠の彼

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「ちょうどお預かり致します」 「はい、どーもー。」 中年おじさんはガサッと買い物をした袋を手に取り、一声かけて店から出ていった。 (めちゃくちゃ変な人…) 中年おじさんの残していったお酒の残り香が店の中に充満していた。 あまりの匂いに具合が悪くなってくる。 そして気がつくと、終了時刻まで残り3分ほどになっていた。 (そろそろ上がりね) 私のシフトは毎日8時~17時まで。 アルバイトにしては長く働く方だ。 いっそのこと正社員になってしまった方がきっと特だろう。 それにこのご時世、さっきの中年おじさんが言っていたように消費税や税金が高過ぎる。 少しばかりの時間働くだけでは生きていけないのが現実だ。
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