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おかしいと気付いたのは、たった数分後の空の風景だった。
途中でケーキ屋に寄り、注文していたケーキを受け取って外に出ただけ。
たった数分で、空は真っ暗闇に包まれていた。
はっと息を飲み、慌てて携帯を取り出す。
0時丁度を指すデジタル時計が、何故かノイズが走っている。
どうしてこうなったかと振り返るも、そこにケーキ屋の存在は無い。
無機質な自動扉、その隣に刻まれたビルの名前。
ーーーー〇〇ビル、4人組の女子高生の話が頭に思い起こされる。
聞こえたのは空を見上げたら、見上げたら何がある?
怖い話で盛り上がってたのなら、見上げたら明らかに嫌な事しか起こらないだろう。
しかし好奇心というものが、心の底からフツフツと湧いて出る。
少しだけ、ちょっとだけなら顔をあげても……?
軽い気持ちで顔を上げる、それとすれ違うように顔スレスレで降ってくる何か。
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