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目覚めた朝
うーん。
あの電話が終わって、私寝れてた。
時計をみたら、10時を回ってた。
何か、体がいつもより軽い気がする。
[起きました。また、起きたら連絡下さい。]
それだけ送って、ベットから起き上がった。
洗面所に行って顔を洗う。
不思議だ。心の中が、少し満たされてる。何だろう?うまく表現できないけど…。心がコップだとして、少し水が溜まってるって感じかな。
顔を洗ってスマホを見たら、勇作からメッセージきてた。
[おはよう。大丈夫?日曜日には帰るから!無理ならお義母さんね。俺も、頑張ってきます。]
[おはよう。大丈夫だよ。家に居れそうです。ありがとう。]
お義母さんからもきていた。
[六花ちゃん、大丈夫?調子悪かったらいつでも連絡してね。]
[ご心配おかけして、すみません。今回は、大丈夫そうです。いつも、ありがとうございます]
メッセージを送っておいた。
ピロン
[今、起きた。お昼ご飯食べよう]
巽君からの連絡がきた。
[いいよ。何時にする?]
[12時までには、でれるようにするよ。]
[ホテルまで、行けばいい?]
[タクシー代足りる?]
[昨日のお釣りでいけるから]
[じゃあ、ホテルのロビーで待ってて。12時に。]
[わかった。]
やりとりを終えるとすぐにタクシーを呼んだ。
11時過ぎにはきてもらうように頼んだ。
私は、急いで用意をする。
「ムギ姫」にゃー
「ご飯どうぞ」にゃー
「また、でるけどごめんね」にゃー
ムギ姫は、ご飯を食べてる。
鞄に昨日買ってくれた香水を入れた。
玄関でつけよう。
服を着替えて、メイクをして、火の元確認して、準備バッチリだ。
ムギ姫は、食べ終わって寝床にトコトコ戻ってる。
ムギ姫、行ってくるよ。その後ろ姿に呟いた。
いってきます。
そう言って玄関にでた。
鞄から香水を出してつける。
外に出たらタクシーがとまってた。
タクシーの運転手に場所を告げた。
タクシーに乗るのまだなれない。
不安感がでてきた。
はぁー。しんどい。
鞄を抱き締める、まだ巽君の香水の匂いもする。
あー。何とかなりそう。よかった。
何とかついた。お金を払ってホテルのロビーに座る。
まだ、きてなさそう。
12時には、まだ早いよね。
[ついたよ。]
[ついてるよ。]
えっ?キョロキョロするけど、いない。
[まだでしょ?]
[いるよ。]
探しても見えない。
「いるよ。」
そう言って隣に座った。
「いつから、いたの?」
「あそこから、見てた。」
「何で、そんなとこで?」
「あんたが、待ってるって思ったら嬉しくてさ。」
そう言って笑って、私が鞄に置いてる手を握ってきた。
えっ?
「また、力入れすぎ。」
「あっ、ありがとう。」
そう言われて手の力を緩めた。
「まだ、慣れない?人多いから」
「うん。ちょっと無理かも」
「じゃあ、行こうか。」
そう言って立ち上がる。
「手繋いだげようか?」
「いやいや、変だよ。」
「確かにね。ハハハ。」
でも、まだ不安感が少しある。
歩いてるうちに消えるかな。
「やっぱり、少しだけ」
そう言って巽君は、手を繋いできた。
何か不安感が消えてく。
だから、離せなかった。
巽君は、ホテルを出ると手を離した。
「ごめん。」
「ううん。」
「あんたの中に不安感ある気がしたから」
「うん、何か消えた。ありがとう」
「よかった。でも、普通はダメだよな。手繋いだりしたら」
「そうだよね。」
「普通はダメでも、そうしたかった。変な意味じゃないよ。あー。俺ダメだよな。変な意味って何って話だよな。そう思ってるみたいだよな。思ってないんだけど、言い訳みたいになるよな。なんか」
巽君は、饒舌に話す。
「アハハ。」笑いが出てくる。
「何か変な事言ってるよな」
何かおかしくなってきた。男女の友情はないとか、普通はこうだよって枠に囚われすぎてる気がする。
「いいじゃん。普通なんて何でも。」
そう言って笑って、私は巽君の手をとった。
「えっ?」
「こうしたいから、こうするだけ。」
「いいの?」
「うん。いいの」
そう言った私の手を巽君が握ってくれた。
「握手と同じでしょ?」
「握手とは違うけど。」
「でも、こうしたかったらこうすればいいんでしょ?」
「我慢はよくないって意味?」
「わからないけど。ドキドキしたりする?」
「しない。そっちは?」
「しない。」
「ただ、落ち着く。こうしてるだけで」
「うん。」
「心のままにいようか?」
「うん。」
「いつか、あんたの不安感が完全に消えたらいいのにな。俺が、その手助けをしてあげたい。」
「ありがとう。」
「何かさ、こうやって歩いてると姉弟みたいだな。」
「まぁ、君から見たら私はかなり年上だからね。」
「君って。気を使ってる?」
「じゃないとね!」
そう言って私は、笑う。
巽君と私、好きなようにしようよ。心のままに、動こうよ。
私はそうしないといけないんじゃないかって思ったから…。
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