私の気持ち

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私の気持ち

目が覚めると巽君も寝ていた。 起きてボッーと考えてる。 また、友達のsnsに引っ張られてる。 妊娠の話やたら載せてたから…。 こんなに辛いなら結婚なんかしなければよかった。 昔、勇作に酷いことを沢山言った。 でも、本音だったんだよ。勇作にも勇作のお義母さんにも子供がいる未来を生きて欲しいって思った事 巽君は、自分が産むだけが選択肢じゃないって話してくれたけど。 その話、勇作に昔一度したけど乗り気じゃなかった。 勇作のお義母さんにも、そういう人がいるって話をしたんだけどそれはちょっとね…って感じだった。 その時に、自分の子供しか嫌なんだねって思ったんだ。 勇作は、二人でもいいって言ったけど。 なんか、縛りつけてるみたいだよね。 欲しいなら、とっくに別の人にいってるって巽君が言ってくれたけど…。 それでも、勇作に子供のいる未来を見させてあげたかった。 見て欲しいと思ってしまう。 スマホで、またsns見るの悪い癖だ。 スマホなんて捨ててしまいたい。 なんでこんなに、できない事に苦しめられなきゃいけないの? なんでこんなに、好きなだけで傍にいれないの? 二人で、生きていたらただ幸せだったあの頃になんでもどれないの? 巽君の寝顔見てる。 新しい人となら、楽しいんだろうね。 でも、私。勇作と離れたくなくて でも、離れてあげなきゃいけないよね。 まだ、若いよ。 私達 勇作は、別の誰かと一緒になれば叶えられるかもしれないよね。 望む未来が…。 私はね、いらないの 勇作の望む未来が、手に入ればそれだけでいいの。 どうしたらいいのかな? こんなに胸が苦しい。 でも、好きだけで傍にいれない。 苦しくて、涙が零れおちる。 「また、sns見ない。」 スマホを見ようとした私のスマホを巽君がとった。 「起こした?」 「泣いてる気がしただけ。」 「ごめんね。」 「見たくなる気持ちわかる。でも、見たら苦しくなるだけだよ。」 「夫から離れた方がいいかなって、それが夫の幸せかなって考えたら考える程苦しくて」 「好きなら一緒にいたらいいんじゃないの?」 「そんな事してたら、すぐにお爺ちゃんとお婆ちゃんになるよ。」 「なったら、もう悩まなくていいじゃん。」巽君は、クシャって笑う。 「そんな問題かな?」 「そんな問題だよ。」 巽君と話すとたいした事ないように思ってくる。 「前に言ってた産む以外の選択肢ね。昔、夫と夫の母に話した事あるけど。乗り気じゃなかった。」 「そうなんだね。仕方ないよね。やっぱり自分の遺伝子残したいって気持ちあるもんね。」 「私はよくても、望まないなら諦めるしかないよね。」 「旦那さんと一緒にいたらそうなるよね。別れたくないなら仕方ないよ。」 「そうだよね。」 「もうさ、俺といる時、話す時は何も考えなくてよくない?」 「うまく切り替えられないかもしれないよ。」 「うまく切り替えられなくていいよ。ただ、そういう事考える時間が減ってほしいだけ。」そう言って巽君が笑う。 「うん。そうしたい」 「そうしよう。」そう言って巽君は、お水を取ってきてくれた。 「はい。冷たいから温くなってから飲んで」 「ありがとう」 「うん。」 そう言って笑ってくれた。 「後、俺といる時はスマホ禁止で」 「それは、ちょっと」 「sns、禁止。他はいいけどね。見なかったら消えてく。誰かが新しく投稿したら見えなくなる。」 「私、友達少ないから消えないよ」 「じゃあ、見ない。非表示とかあったらいいのにな。」そう言って笑った。 あんなに苦しかったのに、楽になってきた。 「結局さ、あんただけじゃなくて世の中には沢山snsに苦しめられてる人がいるんだろうな。俺達の世界の人もそうだし。」 「便利になったのにね。」 「そうだよな。すぐにファンと繋がれて楽しいんだけどね。使い方次第では、怖いよな」 巽君は、そう言って笑った。 「こんな小さな画面の中の出来事で人を笑顔にも傷つける事もできるなんて、よく考えたら怖いよな。」 巽君は、スマホを持ちながら言う 「そうだよね。」 「とにかく振り回されないのが一番。悲しくなったら、俺のsns見ときなよ」って笑う。 「そうだね。」 私も笑った。 巽君のお陰で、少しだけ軽くなった。
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