神様に呼ばれた大罪人たち

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神様に呼ばれた大罪人たち

神様に呼ばれた大罪人たち 「次、どうぞ。」  その声に呼ばれて、部屋に入った。    「おれ」が入った部屋はとても広く、白い大理石でできていた。  建築様式は、ギリシャ風の神殿を模しており、柱の間から差し込む光はとても神々しい金色の光に包まれていた。  暖かい金色の光に照らされただだっ広い真っ白な神殿風の……いや、神殿の中心部。  「おれ」を呼んだ声の主が居た。  白いドーガに頭を白いベールで隠し、頭に金色の月桂樹を模した冠を被った、とても背の高い「誰か」が。 「よく来たね。ささ、こちらにどうぞ。」    性別を感じさせない、声変りをする前の子供のような甘やかさをも含ませた声が「おれ」を部屋の中心へと招いた。  さっきまでは何もなかったのに、「誰か」の前には黒い椅子がいつの間にか現れていた。   (うわ、すっごく怪しいけど拒否権はないんだろうな……。)  俺が眉を潜めながら椅子の方へ移動するとどっかりとふんぞり返るようにして椅子に座ってやった。  「おれ」が怪しいナリをした相手にビビってると見做され、軽んじた扱いを受けるのが嫌だったからだ。   「緊張しないで楽にしていいよー、君の事をバカにする気は一切ないから安心して?」   ベールの下はにこやかな表情を浮かべているだろうという体でソイツは明るい声音で「おれ」を 安心させようとしてくる。   「別に緊張なんてしてねーよ、とっとと要件をいいやがれ。」  「もう、せっかちだねえ。でも、その方が早くて助かるんだけどね?」  ソイツはいつの間にか現れた机と椅子に近寄ると、「よいしょ」と椅子に座り、グーにした右手の上に左手を置く形で手を組みながら続けた。  「君は……キヅチ・トオルで間違いないね?」 「ああ。」 「生前、幼い頃から虐待を受けて家出した先でストリートギャングに入り、未成年とはいえ、そこから散々ヤンチャをしたようだね。」 「そうだけど?」 「で、ある時の万引きで手に入れたモノが犯罪組織が扱ってるものだったせいでその組織に強制加入、そこでも散々悪さをした……と。」 「ああ、選択の余地なんてなーんも無かったけどな。」
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