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◇01. 過去の清算
さかのぼること十四年前。わたしはど田舎の高校に通っていて、ギャル寄りだった。染髪禁止の高校なのに、髪をきんきんに染めていたし。
それでなにも文句を言わせまいと、わたしは、誰よりも勉強を頑張っていたと誇れる。偏差値80の大学に合格したわけだし。
パソコン以外にこれといって夢中になれるものが見つからず、でも、当時は、ネットで知らないひととのチャットを楽しんでいた。閉鎖的など田舎にはうんざりしていたし――わたしが高校前通りを誰と歩いていたかを、夕方には祖母までもが知っている、そんな環境に飽き飽きしていたし、早く、田舎から出たくて仕方がなかった。
だから。
『亜土さんのことが好きです。付き合ってください。
放課後、体育館裏で待っています。』
下駄箱にまさかのラブレターが入っている展開に正直に驚いた。わたしはマセていると思われがちで、しかも金髪なギャルだし、近寄る男なんて誰もいなかった。だから、告白してくる相手がいること自体が意外で意外過ぎて……しかも、相手は。
* * *
「なあ。なんかの罰ゲームであれをやっとるんやないよね」
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