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◇00. prologue
――だって。思いもしなかったんだもん。
「おれ。変わりたいんだ。……変わりたいと思っている」
モブでダサかったあんな男が。一大決心をして、わたしに協力を求めるだなんて。
「須和島さんのことを本気で思っている。……だから、振り向いて欲しいと思うから、おれは、変わりたい」
何故。その台詞が十四年前に出てこなかったのか。恨めしい気持ちと、……彼のためなら協力したい、という気持ちが、わたしのなかでせめぎ合っていた。
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