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――全員から疑われて私は目の前が真っ暗になった。
連絡先を伝えてその場は帰らせてもらえたが、あからさまに自分が疑われるというのは心地のいいものじゃない。
どうにか無実を証明したいものの、本当の犯人はどこにいるのか・・・。刑事は他殺を疑っていたが本当に自殺だとしたら犯人なんてそもそもいない。犯人がいたとしたって、あそこにいた3人とは別の人間かも知れない。
いや、待てよ。あの部屋は密室だったんだ。鍵を持っていないと出入りはできない。そうすると犯人は同居の女性か。
いやいや、密室とは言い切れない。窓が1つ開いていたんだ。向かいの建物から銃か何かで殺すことだってできる。だが死体を縄で吊るすのは無理そうだな。
同居人の女性はたしか河本といったな。彼女のアリバイをなんとか崩せないか。
――悩んでみたが、たいしたことは思いつかなかった。
私はある人物に連絡して、その部屋を訪れた。私にはこんなことを相談できそうな友人が一人だけいた。
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