刑事と4人の容疑者

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 刑事は私の場合と同じように氏名、年齢、住所、仕事などや被害者との関係、今日の朝からの行動、つまりアリバイについてほかの3人にも聞いていた。 ――まず、同居の女性。 「ヒロトと?まだ同棲してるけどもう別れてて。あいつ、ちゃんとした仕事もしてなくてアルバイトとかも転々としてるし、なんか最近は家賃もほとんど私が払ってるし。しかもアイドルにはまってて、なんかオタクみたいに見えてきてキモくて。――やんなっちゃったんですよね」  同居人の女性はだらだらとしゃべっていたが、夜勤明けで眠いというのもあったのかもしれない。 「今日の朝なにしてたかって?朝っていうか夜勤の帰りだから。いつも通り8時半まで働いて電車で帰ってきて、――ああ、駅前でメシ買って、これね。お腹空いてきた。」 そういって彼女はビニール袋から紙パックの飲み物を出してストローで飲み始めた。そのあと彼女の方から、いつまで部屋を調べるのかなどを刑事に質問していた。 ――次に保険のおばさん。 「何日か前に電話で、ええ、日程調整させて頂いて、9時半に林村さんのお部屋にお邪魔させて頂いたんです」 あとはさっきも聞いたように保険の仕事の話をしていた。 ――最後に301号室の林村というじいさん。部屋から出てきて通路で話をしていた。 「もう10年以上ここに住んどる。――橋本さんとか?・・・若いもんと関わりなんてない」 言葉少なに質問に答えている感じだった。 「朝起きて、朝ご飯を食べて、ニュースを観て、あとは9時半からそちらの岡部さんがいらして保険とか投資信託とか、話を聞いとった。そんなことよりあの部屋の2人、よく喧嘩しとったぞ。思い詰めて自殺したんじゃないか?そしたらお前さんの責任じゃな」 といって被害者と同居していた女性の方を見た。
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