椿人

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朝、目覚めると失望する。あぁ今日も生きている、あぁ今日も有限の人生の時間を過ごさないといけない、だるいだるくて体が鉛のように重たい。そして机に置いてある強心剤、利尿薬、血流薬を飲む。生きたくないのに生きるために飲んでいる本末転倒だ。生きたくはないけど死ぬのが怖いから飲むのである。情けない、ため息をつき次に煙草に手が伸びる。台所の換気扇の所の車椅子に座りながら一服する。フッ〜あぁ〜朝の一服は旨い。このためだけに生きているのではないかと思うほど旨い。やがて煙草を吸い終わる、寂しい、あぁいつかは死ぬ必ず死ぬ。その日がまちどうしくて恐ろしい。自分の心の中にある小宇宙で生きるとはなんぞや?生きる意味や価値とは何か?今まで散々生きる意味だの価値だの考えてきたが人のために生きる特に愛する人の為に生きるのが生きる意味価値だとやっと最近わかったのである。
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