復讐……?

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次の日の試験は散々だった。安眠の最中にペンが握れないのは当然である。 「復讐決意して、復習できず……。我ながらダサい!」 「うわぁ。なんか知らないけど寒いこと言ってる……。そんなダメだったの? 栄養生理学」 食堂で肩を落とすあたしの向かいの席に座った舞子(まいこ)が、冷たい目でこちらを見ている。 「聞いてくださいよ、舞子さん。不幸なあたしの身の上話を」 「ええ、陽葵さん。絶対に聞いてあげませんよ」 不敵な笑みもチャーミングな舞子は、女子大生を正しく謳歌している。 試験もバイトも及第点までの努力でそつなくこなして、後は社会人の彼氏と良い感じに楽しく過ごす。成績も悪くないから、国家試験もきっと軽くパスする。そうしたら管理栄養士で安泰。良い感じに結婚して、明るい家庭を築き、キラキラした人生を過ごすのだろう。 「舞子は、ずるい」 「陽葵が悪いの。試験勉強しなかったんでしょう?」 「そうじゃなくて、舞子の人生考えたら幸せすぎて、腹立ってきた」 「んもう。勝手に他人(ひと)の人生想像して(ひが)まないで」 どうせみんな管理栄養士じゃん、とこぼして、ネイルのチェックを始めた。 「無限自殺未遂男にかまってたら、国家試験も落としかねないよ……」 「わわわ! 例の? また?」
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