幽霊になった僕

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女性の様子を見るに本当に自分は誰からも見えていないと確信できたので、受付をスルーして診察の待合室まで進んでいく。 だが、そもそも本当にこの病院に運び込まれたのかもわからない上に誰からも見られないために、自分が運び込まれたか聞くこともできない事実に気付き絶望した。 とにかくどうすべきか考えるのに空いている椅子へ腰掛けると、遠くの方で忙しなく動き回る白衣の人がいることに気付く。 自分が急患だとしたらそれなりの場所にいるんだろうかと思い、とにかく病院内を歩き回って周りから情報収集することにした。 座ってみて気づいたがどうやら今は実態がない分どれだけ歩いても疲れるということはないらしい。 看護師が忙しなく動き回る病棟へ移動してくると、5つほどの扉を複数人の看護師や医師が出入りを繰り返す。 5部屋くらいならしらみつぶしに確認できそうだと1番近くの扉をすり抜ける。
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