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すり抜けを使いこなす自分の適応力に驚きつつも、最初に入った部屋はどうもナースステーションだった様で、複数台のパソコンやモニターが設置されていた。
モニターで顔が見れればすぐ様子を見れると思い、並んだモニターの近くに移動して目を凝らすが、全員がモニターへ顔を向けているわけではないのでどこに自分がいるのかはわからなかった。
諦めて残り4室を全部回ることにしてナースステーションを出る。
ナースステーションのすぐ正面にある扉を抜けると白髪のおじいさんが座ったまま外を眺めていて、それをご家族が囲っているというまさにドラマのような場面に出くわす。
自分ではなかったので踵を返して立ち去ろうとすると外を向いていたおじいさんがこちらへ振り向く。
それにつられて周りの家族も「どうしたの」と言いながらこちらへ顔を向ける。
恐らく家族と一通り目はあったと思うがやはり誰もいないような素振りで再びおじいさんの方を見る。おじいさんに視線を戻すと何か言うこともなく既にまた外を眺めていた。
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