第二十一章 模索と焦りとひらめきと

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『薬物の投与を続けるしかない、ですね』 『先天性の血管異常、ですか。オメガの患者では、よく見られます』 『手術に耐えられる体ではないとなると、私ではお力になれません』  このような声しか、聞くことができない。  啓は初めて、現代医学の限界をうっすらと感じていた。 「しかし。しかし、諦めるわけにはいかない」  それでも、必死で模索する啓だ。  過去の症例を紐解き、亜希と同じような患者がいなかったか検索した。  患者は、数名見られた。  どれも、第二性がオメガの患者だった。  そのたびに啓は、目の前が開けた心地を感じたが、同時に絶望もした。  彼らは誰もが、若くして亡くなっていた。  決定的な治療法に巡り合えないまま、病に倒れていったのだ。 「亜希……!」  汗と、溜息と、そして涙を吐きながら、啓は亜希を生かす方法を探っていた。
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