第八章 誕生日

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(志望校がA判定だったから、こんなに落ち着いているのかな)  利実は、考えた。  しかし、それくらいでこんなに人が変わるだろうか。  初対面の亜希は、もっとみすぼらしかった。  くすんで、哀れで、垢抜けない印象があった。  それが今では、内面から輝く自信と余裕が見られる。 (まさか……)  利実は、思わず亜希に訊ねていた。 「それで。啓さんとは、寝たの?」 「……はい」  はにかみ、それでもしっかりとした返事。  利実は、カッとなったが、それでも減らず口を叩いた。 「そう。でも、君はあくまで愛人だから。婚約者は、僕。忘れないでね」  そして素早く立つと、出て行ってしまった。
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