686人が本棚に入れています
本棚に追加
くすくすと、利実は笑い出した。
『ああ、バレちゃったか』
「やはり、君の仕業か」
『どう? 少しは……』
「二度と、こんな真似をしないでくれ!」
初めて聞く、啓の怒声だった。
利実だけでなく、亜希も驚いた。
優しくて、いつも冷静な啓さんが。
こんなにも、怒りをあらわにして。
『怒らないで。もう、しないから』
「よろしく頼む」
『それで、ね。啓さんは……』
利実は何か言いかけていたが、啓は一方的に通話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!