第十一章 好き

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 亜希は、なかなか寝付けなかった。  隣の啓は、すでに規則正しい深い息をしている。  彼を起こさないように、そっと首を動かしたり、寝返りをうったり。  そんなことを繰り返していたが、眠れなかった。 「啓さん。辛いだろうな……」  小さく、つぶやいてみる。 「僕、何か啓さんのためにしてあげたい」  僕が、今できること。  それは、一つしかなかった。  亜希は啓を起こさないように気がけて、掛布をはいだ。  彼のパジャマに手を掛けて、そっと下にずらした。 「啓さん……」  そして、啓のペニスを手に取り、静かに口づけた。
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