第十三章 初デート

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「お腹が、いっぱいです~」 「それは良かった」  啓の運転する車に乗り、亜希はナビシートにもたれていた。  美しい音楽を堪能し、美味しい寿司を食べて、大満足だ。 「眠たかったら、少し目を閉じるといい。マンションに着いた時に、起こすから」 「啓さんが運転がんばってるのに、僕だけ眠るなんてできません」  しかし、道路は渋滞している。  少しずつしか前進できない状況だった。 「啓さん。少し、窓を開けてもいいですか?」 「いいよ」  眠気覚ましに新鮮な空気を入れようと、亜希はウインドウを開けた。  すると、耳に大きな音が聞こえてきた。 「わ、何だろう」 「うん。花火だな、きっと」 「花火大会ですか?」 「いや。この先のテーマパークでは、土日祝日に花火が上がるんだ」  亜希は、地元でありながら行ったことのない、テーマパークに思いをはせた。
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