第十四章 悪巧み

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 亜希は予備校から啓のマンションへ帰り、宿題を片付けていた。  今日は遅くなる、との啓の言葉だ。  先に寝ていていいから、と彼は言っていたが、亜希は起きていようと考えていた。 「最近の啓さん、寝酒が多いみたいだから」  酒量が増すと、体に毒だ。  亜希は啓の健康を案じて、酒の代わりに温かなハーブティーを淹れるつもりだった。  そして、二人で穏やかに休むつもりだった。  だがその時、突然の侵入者が現れた。 「すっげえマンション」 「内装、ヤバいって」 「これ、北欧家具?」  数名の若い男たちが、どやどやと上がり込んできたのだ。 「あ、あなたたちは!?」  悲鳴にも似た亜希の声に重なって、聞き覚えのある声がした。 「亜希くん、こんばんは」 「利実さん?」  男らをかき分けて、利実がその姿を見せた。
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