第十四章 悪巧み

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「こんばんは……。あの、啓さんなら遅くなるって言ってましたけど……」 「うん。でも今日は、亜希くんに用があって」  にんまりと笑う利実の視線は、不気味だ。  何か、災いの臭いがする。 「亜希くん、一緒に遊ぼう」  途端に、周囲の男たちが薄ら笑いを浮かべた。  口々に、汚い言葉を吐き出した。 「亜希くん、上玉」 「マジ、俺好み」 「早く始めようぜ」  うん、と利実はうなずいた。 「じゃあ、スタート!」  その声に、男たちは一斉に亜希へと躍りかかってきた。 「や、やめてください!」  袖を掴まれ、亜希は叫んだ。 「大人しくしろ!」  男の腕を振り払い、亜希は逃げ出した。 (この人たち、僕をレイプする気だ!)  部屋中を必死で逃げ惑う亜希を眺めながら、利実はスマホを取り出した。 「もしもし、啓さん?」  笑顔で楽し気に、啓へ電話をした。
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