第十六章 光る涙

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 最後尾の男がマンションから出ていくまで、利実は警戒を緩めなかった。  全員がエレベーターに乗ったことを確認し、部屋の内側からしっかりとロックを掛ける。  そして、ばたばたと亜希に駆け寄った。 「亜希くん!」  歯がカチカチと鳴り、指が震える。  蒼白になり、利実は素裸で転がったままの亜希を揺さぶった。 「ごめんね、亜希くん。ホントに、ごめん。大丈夫? 動ける?」 「利実さん……」 「もう、大丈夫だから。あいつら皆、いなくなったから!」  利実は亜希を抱きかかえ、起こした。 「温かい、シャワーを」 「はい……」  そのまま亜希をシャワールームに連れて行き、利実は彼を清めた。  湯でずぶ濡れになりながらも、亜希の体を優しく洗った。
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