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1.自己紹介は手短にお願いします
生徒会に入る決意をした当日の帰りに若薙先輩に捕まって生徒会室に連れてかれた。そこで早速生徒会役員を紹介される。
「こいつは会計係の三年、山田花子だ」
「失礼ねぇ、若会長。再三申し上げておりますが、花子じゃないわ。か・こよ!」
若薙先輩の呼び間違いに今紹介している女子生徒の山田先輩? は不満そうな顔で指を刺してやや強めに強調して指摘をする。
そうしている間に僕は彼女の名前について脳内で議論が行われていた。
うーんでも山田先輩や花子先輩、山よりは……。
「ハナちゃん先輩か。とても可愛い名前ですね」
小さな花のように可愛らしい先輩はハナちゃんって名前が当てはまる。そう思ってぽつりと話した。
「あら、そうかしら。是非そう呼んで頂戴〜! 確か……三福くんだからみっちゃんね!」
明るく嬉しそうにるんるん気分で機嫌が良さそうに僕に近づき、ハナちゃん先輩も僕にあだ名を付ける。僕も改めて名前を名乗って握手して挨拶した。
「俺の時と態度が違うんじゃないのか?」
「べっつにぃ? 気のせいじゃないの?」
「う……お前はなぁ、愛子がかっこいいからってそんなデレデレになるなよ」
「いきなり何よ。別に私に嫉妬しなくてもいいじゃないの」
「嫉妬じゃねーよ。顔だけじゃなく男前な人柄もよく見てやれよって言いたいんだよ」
若薙先輩の疑問で二人の口論が始まった。二人のやり取りを見てこれは痴話喧嘩と言うものではないかと呑気に考えていた。
「凄く仲良いんですね」
『そんな事はねぇよ!(ないわ!)』
僕の一言で若薙先輩とハナちゃん先輩が同時に否定する。二人共息がぴったりで仲良さそうなんだけどなとひっそりと思う。
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