48人が本棚に入れています
本棚に追加
とある宇宙の片隅で
地球の外、宇宙船の中で、知的生命体Aが敬礼の形をとった。
「船長、つい先日落とした鸚石ですが、まーた地球人の洗脳に失敗したようです。何がマズったんですかね? やっぱ鸚石なんつー、かたっくるしい名前がいけなかったんじゃないですか」
石に依存させて、石なしでは生きられないようにするつもりだったのに、そうならなかった。
「ナンダト! 地球に住まう鳥のように人語をしゃべり、人心に取り入るモノを生み出したつもりだったガ……まだ改良の必要がアッタということカ!」
知的生命体Bが、ウネウネと触手を怒らせる。
「船長ォ。ネームチェンジしちゃいましょーよ。あ、そーだ、『恋する一粒♡ラッキーストーン』なんてどうです」
「ゼロ! オマエのセンスはゼロだ! 今すぐ他の船員を招集シロ、作戦会議ダ!」
知的生命体Bは癇癪を起こして、そのあたりの物を蹴散らしながら、船室を出て行った。
あとに残された知的生命体Aは、肩を落として呟いた。
「ったく。相変わらずコキ使いやがって……自分も新しい就職先、探そっかな」
最初のコメントを投稿しよう!