彩りを君に

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 関口さん良かったね。あのラブレターはいたずらやからかいではなく、福本の素直な気持ちだったんだ。関口さんは「誰も私のことなんて、気にしていない」って言ってたけど、そんなことない。ちゃんと見てくれた人がいたよ!  そのことをいち早く関口さんに伝えたくて仕方がなかった。明日には学校来れるかなぁ……。一日って、意外と長いよなぁ……。  次の日、元気になったようで、関口さんは登校した。早くあの事を彼女に伝えたい。朝一、廊下で関口さんを見かけたのですぐに呼び止めた。 「関口さんおはよう」 「あ、おはよう」 「風邪治った?」 「もう熱も下がったし、大丈夫だよ」  笑顔でそう言う関口さんだが、まだ少し鼻声だ。 「でもまだ少し鼻声じゃん。あんまり無理すんなよ。季節の変わり目だし、気を付けないとぶり返すよ」 「……うん」  あれ、まだ顔が赤い? 「顔赤いけど、また熱上がってきたんじゃない?」  無理していないか心配になって、顔を覗き込んだ。視線を合わせてくれない関口さんは、自分の顔を隠すようにものすごい速さで両手を左右に振った。 「本当に大丈夫だから」 「そう? ならいいけど。あ、そうそう! 関口さんに伝えたいことがあるんだ」
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