彩りを君に

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 正門で関口さんが来るのを待っていた。もし二人がうまくいったのなら、きっと二人で帰るだろう。そうなったら僕は笑顔で祝福して、二人を見送ろうと思っていた。 「竹内くん?」  関口さんに声をかけられて、心臓が飛び出そうな思いで振り返った。何も言わずとも、目が福本を探していた。 「ど、どうだった?」  福本がいない。ここには関口さんただ一人。それが何を意味するのかは、聞かなくてもなんとなく察してしまった。 「断ったよ」 「そっか」  ここに福本がいないってことは、やっぱりそう言うことだよな……。 「福本、いいヤツなんだけどな。仕方ないか」  頭をポリポリ掻きながら、心の中で福本落ち込んでるだろうなぁと考えていた。 「いい人だとは思うよ。でも……」  関口さんは握りしめた手が震えている。彼女の声も一緒に震えている。 「私の鼻声に気付かない人よりも、鼻声に気付いて体調を心配してくれる人がいい」 「え……」  瞬時に分かった。それは自分のことだということを。 「私のことを長く好きでいてくれる人よりも、私の辛さに気付いて、代わりに怒ったり言い返したり気遣ってくれる人がいい」
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