彩りを君に

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 ドクドクと鼓動が早く打って、僕は耳まで熱くなった。 「それって……どういう……」  脳が情報過多で伝達機能がうまく働かない。関口さんが言っているのは、紛いもなく僕のことだ。  徐々に関口さんの声は涙声になって、熱い想いが溢れていく。 「私のことだとすぐ気付いてくれるのに、自分のことになると全然気付かないんだね」  泣きながらふふっと笑った。僕は今起きている状況が信じられなくて、手で口を押さえた。押さえたその手も震えていた。 「私の毎日に彩りをくれた竹内くんが……好き……です……」  笑うその頬に涙が一筋。彼女のまっすぐな想いは、鈍い僕でもやっと気付いた。  一人で耐えていた横顔も、僕に涙を見せる笑顔も、どちらも関口さんで、彼女は僕に心を開いてくれた。  勇気を出して気持ちを伝えてくれた関口さんに、僕も今伝えたいことがある。 「僕も……関口さんが、好きだよ……」  人の想いって、声を震わすんだね。  彼女の肩につかない髪がゆっくりと前に流れていったけど、濡れた頬を隠しきれなかった。僕たちの心が溶けていく。溶けた想いが涙になって、二人の頬を伝っていく。
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