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「次は映画とかどうですか?」
「ああ、いいぞ。何か見たいのがあるのか?」
「実はシリーズ物の最新作が公開してるんです。アクション系なんですがどうでしょうか」
アクション系か......。
孝太が好きならきっと面白いんだろう。
他人の好評とかはあまり気にしないけど、今日くらいは付き合うのも悪くない。
「それじゃあ見ようか」
「はい!」
駅の反対側にある大きな建物の最上階にある映画館に来た。
休日だからか人が沢山いて話し声が館内に響き普通の声量で話すと聞こえにくい。
チケットを買うとき空席があるか心配だったが隣同士で空いている席が偶然にもあったためそこを選んだ。
スクリーンから比較的近い席で良いのか悪いのかわからない。
「ポップコーンとかいります?」
「いる」
こういうところも全くといっていいほど来たことがないから普通がわからないが、聞いてくるということはだいたいの人は買うのだろう。
よく見ればポップコーンを買うカウンターのところにすごい列が出来ている。
「ここに並んでる奴らみんな買うんだな」
「そうですよ。ポップコーンだけじゃなくてホットドッグとか唐揚げとかも売ってますよ」
「あっ、あれ!俺、あれがいい」
何かよくわからないけどあの細長いやつ。俺の勘があれだと言っている。
「あぁ~、チュロスですか。さすがです右京様!」
褒められる理由はわからないがまあ、いいことだということは分かる。たぶん。
「甘いものが好きな人にはそういうレーダーでもついているんですかね」
チュロスが何か知らないが甘いものなのだろう。
どのような食べ物なのか分からくて言ったのになあ。
孝太の言う通りレーダーではないけど謎の第六感が目覚めたのかもしれない......いや、そんなわけない。
すぐに順番が回ってきて無事にチュロスやポップコーンを買うことができた。
「もうすぐ始まるみたいなので行きましょう!」
孝太がほとんどしてくれて俺はただ孝太の後をついていく。
これだけ見たらどちらが先輩なのか分からない。
入ってすぐ他の映画の宣伝とかがあって数分後に本編が始まった。
二時間と十数分後映画は終わった。
「どうでしたか?」
「まあまあ面白かったかな」
前作を見てないからよくわからないが主人公は普通の会社勤めのサラリーマンで、出張に行くために乗った新幹線が実はただの新幹線ではなかった。
駅に到着するたびに始まるデスゲーム。敵は本物の怪物。
車内は座席が消え、壁も消えて床は半径数十メートルの砂地になる。
持ち物すべてが何かしらの武器に変わり次の駅に着くまでに倒さなくてはならない。
降りようとしてもチケットに書かれてある駅まで行かないと降りることができず乗り込んだ乗客たちが次々に殺されていく。
孝太から聞いたが前作は駅の間隔がもう少し短かったそうだ。他には船とか、機関車とか。
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