白よりのグレー

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 25歳。大学時代の友人の一人が結婚した。それを切り口に数人が立て続けに結婚した。まだ早いなあ、なんて言っているうちに27歳。  また結婚ラッシュが続いた。仕事では転職を経験した。実力主義の会社で給料が大幅に上がった。さすが外資系。日本企業じゃこうはいかないと一層やる気になった。  仕事の楽しさを知り、結婚はまだいいやと軽く考えていた。  将来的に結婚はしたい。でも、今じゃないと余裕をかましていた。  そのうち、20代最後の年になり「女は30からだ」なんて笑っていた友人がひとり、またひとり結婚していく。  本格的にそろそろと動き出した時にはあまりパッとする男がいなかった。  こんなのはタイミングだ、なんて心の奥で思いつつ実家に戻れば「まだ結婚してないの」とチクチクとご近所のおばさんから言われる始末だ。    (私が結婚しないことであなたたちになんの迷惑もかけてないじゃない)  とまあ、声を大にして言いたいがグッと堪え生きてきた。  そして最後の最後には親友だと思っていた結城綾乃が結婚。  相手は初恋の王子様。めでたい。これは本心だ。だが敢えて言わせてほしい。  「うらやましすぎるわ!!」  やる気のなかった綾乃の方がモテた。  わんこ系後輩に初恋の王子さま。そして関係会社の男。  悔しかった。自分もそれなりに見えると思う。  ただ違うのはスタイルだ。やっぱり武器になるんだろうか巨乳。  そう巨乳だ。昔綾乃に聞いたらFカップだと言っていた。  思わず「A、B、C…」と指折り数えてしまったのは仕方ない。  なんたってあまり聞きなれない文字だったのだ。  だが綾乃本人はブラジャーが可愛くないと嘆いていた。  足が大きいと靴が可愛く見えないのと同じで下着もカップが大きいと全然可愛く見えないという。だがBカップの千佳子には羨ましい悩みだ。  人生一度でいいからそんなことを言ってみたい。  「乳分けてくれ」と温泉に浸かりながらその豊満な乳を鷲掴んだのは必然だ。  綾乃はスタイルだけでなく顔立ちも美人だった。これで不細工ならまだ許せたが、綺麗め可愛いを体現している。おまけに性格はちょっと天然で面白くてさっぱりとして付き合いやすい。  天は二物を与えずとはいうけれど、与えすぎじゃないだろうか。    自分が男なら間違いなく嫁にしてる。よくこの年齢まで売れ残ってていたなとも思う。その幸運の旦那はおっぱいより尻が好きらしいが、なんだかんだ言っても男はおっぱいに弱い生き物だ。 ____って、話が逸れてしまった。  
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