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ERASER ALL
モニター画面にこの文字が踊った。
「終わった」
一体なにが起きたのか。
即座には理解できなかった。
ただ自分の実力のちっぽけさにふがいなさを感じた。
「神か」
隣で座り淡々とゼリー状の物体を大胆にも繊細に積み上げていく姿がやけに眩しく思えた。
「ああ、ああ、あぁぁぁぁぁ」
阻止する方法はなかったのか?
隕石でいる間にもう少し抵抗すべき策は本当になかったのだろうか?
いや、なかった。あったか?なかったよな?
ばよえ~ん、ばよえ~ん、ばよえ~ん、ばよえ~ん、ばよえ~ん
狂気の声が、リフレインして僕を蔑みこだまする。
「美しい」
僕は、悔しさよりも、モニター天井にあるその信じられない光景に心奪われた。
隕石から王様にそして、星に、そして、彗星になっていた。
あいつが僕の頭上に堕ちて来る??
隣に座るやつは
「もう少し抵抗してくれないとぷよぷよの大会の練習にもならないよ」
僕は悔しく思ったが同時に人間の能力の素晴らしさを垣間見れて嬉しく思った。
「はい、もう一度。速い三連鎖なら勝てるかもよ」
「お、おう」
終わり
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