『その執事、魔法を知る』

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「ドワーフの国へ?」 「はい。先行として、私が出向く次第です」 翌日、俺はドワーフ王国への出張の許可を貰う為にザシッドへ会いに向かった。 表面上では、ドワーフ王国との友好関係を結びたいのもあるが───…。 本命は当然、先の事件に関係するであろう魔法道具の出処だ。 「フム…しかし、何故だね?」 「今現在、王国とドワーフが友好関係を築いているのは判ります。ですので、我が領地でも多少は肖りたいと思いまして。勿論、第一はこれまで通り王国。我々は後続と言う事です」 「しかしだなぁ…ドワーフはなかなか気難しいと知っているかね?過去にも王都に続いて友好関係を結ぼうとした各領主が居たのだが…悉く(ことごと)出直しているのだよ」 「それは…取り引き材料が困難なのでしょうか?」 技術力が高いのはネタとして掴んでいる。 問題は、やはり取り引き材料か…。 「まぁ、そうなのだがなぁ…」 「……?」 .
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