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「恥、自責、後悔、いろいろありますね」
「それらも混ぜて使うが、やはり罪悪感が一番理にかなっていると思う」
「どうして?」
「罪悪感に苛まれると人はどうなる?」
助手はまたポンと手を打った。
「後ろめたさから言われた事に従順に従う!」
「そのとおり!完璧な奴隷ロボットが完成するんだ!」
かくして博士と助手は発明した“過去を水に流す装置”を使って、
街々をめぐり、過去を不法投棄することなくグングン水を集めて
吸収しつづけていった。
かなりの量を収集できたので、
ふたりはさっそくロボット開発の研究を開始した。
「では他人さまの過去の過ちを注入して賢くなろう。準備はいいかい」
「えっ、一号は私ですか!まずは博士でしょう!」
でっかい注射器に助手はおののいた。太い。馬のチンチンほどはある。
「だって、他人の過ちなんて体にいれたくないもん」
「それはわたしも同じですよ!でも言いだしっぺは博士でしょ!
博士からどうぞ!」
「そうなんだけど、いざとなると勇気が出ない……
なんとかならない?」
「なりません!」
「じゃあ覚悟を決めた。注入してくれたまえ」
「じゃあって何ですか。でもまあいいか、いきますよ。それっ」
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